50代のあなたこそ、今「カモ期」なんですよ!
「最近肩が上がらなくてね~」「あるある~」
「眠りが浅いのか、疲れがなかなかとれないの」「わかる~」
50歳を過ぎると、なぜか出てしまう健康話。どこが痛いの、調子が悪いののオンパレード。もしかしたら何か悪いことの前兆なのでは……と意を決して医者にかかれば、「加齢ですね」と言われてしまいます。なんだか50代って寂しいですね。
でも「歳だからね~」と苦笑いをしている場合じゃないこともあります。突然知人が亡くなったというニュースが耳に入ることも……。聞けば、血管や心臓をはじめとした細胞たちが弱ってくるのも、いよいよ50代とも言えるのだそうです。
筆者はファイナンシャルプランナーとしてお客様のライフプラン相談を承っているのですが、50代からのご相談はとても多いです。筆者自身が50代というのもあるのでしょうけれど、健康が気になるのと同じでお金も気になってくるお年頃なのかも知れません。実際、50歳を過ぎたらお金としっかり向き合わないと、大変なことになる! と私自身は危機感を持ってお客様と接しています。人生100年時代を乗り切るには、50代からのマインドセット、とても重要です。
2019年に「50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話」(東洋経済新報社)を上梓しました。これまでのお客様のご相談内容をデフォルメしながら、“やってはいけない話”をまとめたものです。私は定年前後の人達を「カモ期」と名付け、いわゆるカモネギな様子や、みんながやっているから大丈夫かもと調子に乗って失敗する様子を紹介しました。そのままリアルに描いてしまうとシリアスすぎるので、少しクスッと笑ってしまうようなテイストに仕上げました。
するとどうでしょう。他人の失敗は蜜の味(笑)。「こんな失敗はしたくないものだね。ハハハハハハ」と、他人事とばかりに笑い飛ばす人がなんと多いことか! そのたびに、そんなあなたこそ「カモ期」ど真ん中、と心の中で呟いていたのですが、この度ご縁があり今度は「50歳を過ぎたらやるべきこと」をお伝えする機会をいただきました。嬉しいですね。さて、何からお伝えしていきましょうか。
まずは「カモ期」をもう少し説明します。50歳も過ぎれば、みなさんそれぞれの人生経験を重ねてきています。また今の50代は心も体も若いつもりでいますから、ライフスタイルもとてもアクティブです。
でも、やはり育ってきた時代背景は隠せません。幼少期の写真は白黒という私たちは、日本経済の成長とともに生きてきました。どんどん新しいものが出てきて、暮らしが豊かになっていく様をみていれば、自分のことは棚にあげて、ついつい気持ちが大きくなるのも仕方がないことです。テレビが〇〇族や〇〇ブームといった言葉を創り出し、みんなで渡れば怖くないとばかりに、流行に踊らされてきた年代でもあるでしょう。
だから、「カモ」なんですよね。飲みの席では何も考えずに、とえあえずビール!と言ってしまうように、メディアが取り上げているから「それっていいカモ」。知り合いがやっているから「同じでいいカモ」。
何にでもチャレンジする行動力は素晴らしいけれど、お金のことを考える時はもう少し「自分軸」で考えることをしないと、まさに「カモネギ」になってしまいます。今ここで、自分自身の気持ちの切り替え、マインドセットの刷新が重要です。