50歳は人生の折り返し地点なのか、それともスタート地点なのか?

筆者のライフプラン相談にいらっしゃる方の多くが「もう人生の折り返し地点なので」と枕詞のようにおっしゃいます。さて50歳は本当に人生の折り返し地点なのでしょうか?

確かに人生100年時代、50歳は折り返し地点かも知れません。でもこれからの人生も50年待っていることを考えると、「折り返し」と黄昏れていては、この先息が続かないのではと心配です。実際、みんな少し人生にお疲れなのは確かです。

でも、これまで働いてきた20歳から60歳までの時間とそこから100歳までの道のりは同じ40年。それはこれまで見てきた風景ではなく、さらに変わっていく風景だと考えると、もう一度スタートを切るんだと気を引き締めた方がよさそうです。

筆者はよくお客様にこう言います。「75歳のご自身をイメージしましょう」と。現時点を考えると、若かった頃からの思い出に浸って、よくここまで来たものだとのんびりしてしまいますが、75歳の自分を考えると少し心の持ちようが変わりませんか?

75歳は、50歳から100歳のちょうど真ん中です。75歳ともなると、認知能力も弱っているかも知れません。間違いなく、今の自分よりは衰えているはずです。でもそこからの人生もまだ25年あります。みなさん案外わがままで、自分だけは「そこそこのところで」ピンピンコロリと人生が終わると言われたりします。いやいやどうして、自分の意思で終われないのが人生です。また長生きになれば当然お金が必要になるのに、「年金だけで暮らせないなんて、どうしてくれるんだ!」と大騒ぎ。そもそも年金額は、あなたが支払った保険料に連動するのだから、年金額が少ないと文句を言うのであればそれはあなたの過去に言うべきで、社会が悪い、政治が悪いと犯人捜しをするのはちょっと虫がよすぎませんか?

同世代が集まって、中年の悲哀で愚痴をこぼしながらお酒を飲むのも無責任で楽しいことではありますが、ここは一つ、次のステージのスタート地点に立っているのだと気を引き締めたいところです。