個人が資産運用に関連した情報収集を行う場合、大半はマーケット動向に関すること、新しく登場した金融商品に関すること、が中心になるでしょう。あとは著名なエコノミストやストラテジスト、アナリストなどマーケット関係者のコメントをチェックするというところでしょうか。

運用動向レポートで見える、気になる他人のお金の実態

では、自分以外の個人が今、資産運用をするにあたって何に関心を持ち、どういうアクションを起こしているのか、ということについて関心を持ったことはありませんか。恐らく関心を持ったとしても、この手の情報はなかなか入って来ないでしょう。なぜなら、自分の隣の人とお金の話、ましてや資産運用の話をしながらランチをしたり、一杯呑みに行ったりする機会は、ほとんどないはずだからです。

そもそも自分は今、これだけの資産があって、こういう運用をしているなどという話を他の人に切り出すのは、かなり勇気のいる行動です。

「え、そんなにお金持っているの?」、「なーんだ、その程度しか持っていないんだ」などと、自分の同僚などに言われるのは、あまり気持ちの良いものではありません。自分のプライバシーを、赤の他人に晒しているような気分にもなるでしょう。個人投資家同士が集まって情報交換会を行うといったことは、ここ数年で大分増えてきましたが、個人投資家とまで言えないごく普通の人たちが、自分の保有資産をお互いにオープンにして話をするのは、やはりハードルが高いことなのです。

とはいえ、やはり他人がどのような運用をしているのかは、気になるものです。ひょっとしたら、自分は知らないけれども、何か興味深い資産運用法を知っている可能性も否定できないでしょう。

そういう、隣の人が今、どんなお金の運用をしているのかをちょっとだけ垣間見たいという人にぴったりのレポートがあります。野村総合研究所(NRI)が定期的に刊行している「日本の資産運用ビジネス」がそれです。最新号がこの11月に刊行されていて、NRIのホームページから誰でもダウンロードできます。

このレポートはNRIが継続して資産運用会社の経営者へのアンケート、インタビュー調査に基づいた定性情報、運用会社の事業報告書から得られる数値情報などをベースにして分析、作成されたものです。

では、直近に刊行された内容のうち、個人の資産運用動向に関連したものをピックアップして解説してみましょう。