2021年10月、野村証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。
第1位「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の概要
野村証券の10月売れ筋ランキング1位は、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だった。同ファンドは、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグルの親会社)など米国の成長株に投資するアクティブファンドである。同ファンドの人気は高く、9月末時点における純資産残高は1兆2,757億円となっており、追加型株式投資信託(ETF除く)の中でトップとなっている。9月は長期金利上昇懸念からIT・ハイテク株などの成長株の上値は重かった。しかし、10月から始まった第3四半期決算は市場予想を上回る企業が多く、株価は上昇。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は10月に15498.39ポイントで取引を終了し、過去最高値を更新。同ファンドの10月の騰落率も6.89%と好調だった。米国株式市場は良好な環境が続いているので、11月以降も野村証券のランキング上位に同ファンドが入る可能性は高いだろう。
全体を見て:米国株に投資するファンドが人気
上位5ファンド中、3つが米国株に投資するファンドとなっている。3位の「ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は、9月7日に設定された新規ファンドで、米国の割安優良株に投資するファンドである。9月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。
1.アルファベット 6.67%
2.マイクロソフト 4.41%
3.モルガン・スタンレー 4.15%
4.ゼネラル・エレクトリック 3.51%
5.アメリカン・インターナショナル・グループ 2.83%
優良株としてアルファベットやマイクロソフトなどのIT・ハイテク株も入っているが、金融などのバリュー株も組み入れられているのが特徴である。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、米国の成長株に投資するファンドであり、「ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」のような割安株(バリュー株)のファンドを合わせて保有することで、資産全体のリスクを抑えて収益が安定する効果が期待できる。成長株を補完する商品として、11月以降も同ファンドを購入する顧客は多いだろう。