新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的に経済活動が停滞した2020年。その後、各国の大規模な量的緩和策やコロナワクチンの開発、普及によって欧米をはじめとした先進国での経済活動は急速な回復を見せた。とりわけ米国では、コロナ禍で一時期、11年ぶりのマイナス成長を記録していた実質GDPの規模が、直近では感染拡大前の水準を上回った。

こうした経済のV字回復は歴史的にも珍しい。それに伴って、経済の現状や展望を示す各種指数も類を見ない動きを見せている。

この記事では「コロナ禍でよく見かけるようになったけどよく知らない」「なぜ上がっているのか分からない」といった指数について、その概要を紹介する。

指数は景気動向を示す数値

指数とはある時点を基準にポイントとして算出される値だ。株価やサービスの料金など、複数の異なる数値を1つの値に計算し直し、絶えず変動する市場を把握しやすくするといった目的がある。

例えば、ニュースや新聞などで目にする機会の多い「TOPIX(東証株価指数)」は、東京証券取引所第一部に上場する全銘柄を対象とし、株式数(浮動株数)でウェイト付けした、時価総額加重型の指数だ。1968年1月4日の時価総額を100として現在の数値を算出する。株式市場は全般的に経済の先行きを織り込んだ動きを見せることから、TOPIXは景気の先行指標として参考にされている。

なお2021年8月26日時点の終値ベースのTOPIXは1935。銘柄の入れ替わりや貨幣価値の変動、基準日とは計算方法も少し異なるため単純比較はできないが、数値は基準日からおよそ19倍に増えている。当時と比べると着実に、日本経済が成長していると言えるわけだ。