積立投資か一括投資か、有利なのはどちら?

積立投資が分かってくると、「一括投資ができるくらいの資金はあるのだけど、あえて積立投資にしたほうが良いのだろうか」と考えてしまう人も多いと思います。実際、金融機関の窓口で、販売員からこのようなアドバイスを受けた人もいるようです。

結論から言うと、投資資金があるのに、あえて積立投資をすることは避けたほうが良いと私は考えます。なぜなら、過去においては一括投資のほうが積立投資よりも増える確率が高かったからです。

実際、一括投資でグローバル株式(MSCI World指数)に5年間投資した場合と、5年間積立投資を行った場合(投資金額は一括投資と同じ)のリターンを比較したところ、一括投資した場合の勝率が約70%と高くなりました。過去において低迷していた日本株式(TOPIX)で同様の比較をしたところ、一括投資の勝率は50%以上になりました(ともに分析期間は1989年2月~2021年6月)。リターンの幅を見ても、平均的にはグローバル株式でも日本株式でも一括投資のほうが大きなリターンとなっています。

この理由には機会損失があります。積立投資の場合、積立投資をしなかったお金はほぼゼロ金利の預貯金で眠っていることになります。一方、一括投資ではリスクはあるもののリターンが期待できる株式に全額投資されるので、これが差となって表れているのです。