finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート
コンサルタント・オピニオン

国内債券投資の再考

林 辰幸
林 辰幸
マーサージャパン 資産運用コンサルティング部門 コンサルタント
2023.12.08
会員限定
国内債券投資の再考

激変する市場環境や金融規制への対応など、地域金融機関の運用部門がクリアすべき課題は多い。そうした中、外部の運用コンサルタントの知見を意思決定に役立てる動きが徐々に広がってきている。そこで、主要な運用コンサルティングファームの関係者に、運用のヒントとなる情報を寄稿いただいた。

日銀のYCC修正を受けて、長らく低水準を維持してきた国内金利が上昇し、市場の注目を集めている。日本にマイナス金利が導入されて以降、投資魅力度が低下した国内債券から為替ヘッジ付きの外国債券に資金を移す投資家も多かったが、足元では高い金利を享受できる一方で高止まりしているヘッジコストが足枷となっており、保有スタンスの見直しが検討されつつある。国内債券への回帰は妥当であるか、検討する際のポイントを整理してみたい。

当然のことながら、国内債券運用にはヘッジコストがかからないため、外国債券のようにインカムリターンがヘッジコスト負けする心配はない。加えて、米欧とは異なり、順イールドの状態であることから、ロールダウン効果が期待できる点もプラス材料だ。

次に、留意すべきリスクについて考える。右図は、債券による運用中に金利上昇が起きた場合の価格変化をイメージしたものである。金利上昇時に発生したキャピタルロスは、その後のインカムリターンでリカバーすることができるが、金利上昇前の価格まで回復するには相応の期間を要している(図の例では、1%の金利上昇分のキャピタルロスを取り戻すのに6~7年かかっている)。

 

保有債券を簿価評価で管理できる投資家にとっては特段問題にならず、売却時の実現損のみ注意すれば良いが、時価評価がベースの投資家にとっては、金利上昇のタイミングは極力避けて投資し、その後の高いインカムリターンのみ享受したいところだ。債券市場全体で見ると、NOMURABPI(総合)の修正デュレーション(金利感応度)は外国債券のインデックスと比較してもかなり長く、金利上昇時の価格下落リスクは大きい。

日銀の植田総裁は、2023年10月に長期金利が「1%を大きく継続的に超えるということはない」との見方を示したが、7月に修正したばかりのYCCを10月に再修正しており、さらなる政策修正観測も高まりやすいとみられ、金利上昇圧力の強い状況が続くことが想定される。

このような環境下、インデックスを意識した運用を行う企業年金などにおいては、現時点での国内債券への回帰は慎重になっている。金利上昇リスクに耐性があるようなアクティブ戦略などを活用しつつ、タイミングの分散を図りながら取り組む必要があるだろう。金利上昇時のインパクトとその後の利回りについての見通しを把握した上でのポートフォリオ構築をお勧めしたい。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1
次の記事
景気サイクル終盤のクレジットファンド選定
2023.12.11

この連載の記事一覧

コンサルタント・オピニオン

上場REIT投資を通じた”次世代”の海外不動産投資

2023.12.13

景気サイクル終盤のクレジットファンド選定

2023.12.11

国内債券投資の再考

2023.12.08

おすすめの記事

楽天証券の売れ筋は「国内株」を押しのけて「NASDAQ100」が大幅に順位アップ

finasee Pro 編集部

投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【バランスファンド編】

Ma-Do編集部

顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる

Ma-Do編集部

立国議連の1週間後、政府に届いた「もう1つの提言書」の中身は

川辺 和将

ファンドアナリスト海老澤 界が2026年第1四半期を振り返る~投資信託の今と、これから

Finasee編集部

著者情報

林 辰幸
はやし たつゆき
マーサージャパン 資産運用コンサルティング部門 コンサルタント
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【バランスファンド編】
「支店長! 研修は受けたのですが、投信をセールスできる気がしません。慣れるしかないのでしょうか?」
楽天証券の売れ筋は「国内株」を押しのけて「NASDAQ100」が大幅に順位アップ
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
インデックス投資から始めた顧客を「思考する投資家」へ導くために ――対面営業を主体とする投信販売会社・本部投信担当者に求められる視点――
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第19回:デジタル化の否応なしの進展が中核市の人口流出を加速させる?
世界をリードするアクティブ運用の雄・フィデリティ投信、その哲学に迫る 「日本企業は変わりつつある。日経平均の最高値は突破可能」 
【動画】連続講義「預かり資産ビジネスの未来」
①預かりビジネスに活路を見出す
「支店長! 売れ筋の投資信託を3つ覚えて売れるようになりました。全ての商品を覚える必要はありますか?」
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第19回:デジタル化の否応なしの進展が中核市の人口流出を加速させる?
ファンドアナリスト篠田 尚子が2026年第1四半期を振り返る~投資信託の今と、これから
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【バランスファンド編】
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉜
~米国投資信託最新事情~
株式低迷の1-3月も米ETFは過去最高を更新! 主役は債券ETFと外国株式ETFへ
NISAの次に問われる本丸--企業型DC・iDeCo、個人向け国債、そして資産形成助言の再設計
楽天証券の売れ筋は「国内株」を押しのけて「NASDAQ100」が大幅に順位アップ
千葉銀行の売れ筋で「ゴールド」がランクアップ、新興国比率が高いグローバル株ファンド「The GDP」がランクイン
ファンドアナリスト海老澤 界が2026年第1四半期を振り返る~投資信託の今と、これから
立国議連の1週間後、政府に届いた「もう1つの提言書」の中身は
さりげないにも程がある!見落としがちな最近の金融庁重要資料3選
NISAの次に問われる本丸--企業型DC・iDeCo、個人向け国債、そして資産形成助言の再設計
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第19回:デジタル化の否応なしの進展が中核市の人口流出を加速させる?
「支店長! 研修は受けたのですが、投信をセールスできる気がしません。慣れるしかないのでしょうか?」
“インプリンティング効果”とこどもNISA--ヒナは最初に見たものを親と思い、ヒトは最初の販社と一生付き合う?

資金流入額ランキング上位に4月の新設ファンドが2本、「ノムラ・エマージング」と「MS フィジカルAI」 =資金流入額上位20ファンド
三井住友銀行で新ファンド「フューチャーガイド」がトップ、「世界のベスト」も根強い人気
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
SBI証券の売れ筋で「WCM」がランクイン、「FANG+」を押しのけて高い順位に進んだ理由は?
SMBC日興証券の売れ筋で人気化する「革命」3ファンド、SpaceXやByteDanceなど未上場株に投資するファンドも浮上
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら