finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート
コンサルタント・オピニオン

上場REIT投資を通じた”次世代”の海外不動産投資

藤井 春登
藤井 春登
ラッセル・インベストメント オルタナティブ・アドバイザリー部 プライベート マーケッツ スペシャリスト
2023.12.13
会員限定
上場REIT投資を通じた”次世代”の海外不動産投資

激変する市場環境や金融規制への対応など、地域金融機関の運用部門がクリアすべき課題は多い。そうした中、外部の運用コンサルタントの知見を意思決定に役立てる動きが徐々に広がってきている。そこで、主要な運用コンサルティングファームの関係者に、運用のヒントとなる情報を寄稿いただいた。

「海外不動産投資」と言えば私募不動産を指すことが一般的だが、“食わず嫌い”で上場REITから遠ざかっている方も多いのではないだろうか。本稿ではその隠れた魅力について紹介したい。

以下の図1および図2は、米国における上場REITと私募不動産のセクター構成比を示している。同じ「海外不動産投資」であるが、実はセクター構成は大きく異なる。

図1 米国私募不動産のセクター構成比

出所:NCREIF NFI-ODCEよりラッセル・インベストメント作成、2023年3月末時点。

 

図2 米国上場REITのセクター構成比

出所:FTSE NAREIT All Equity REITよりラッセル・インベストメント作成、2023年3月末時点。

一般的に、「不動産投資」と言えば、オフィス・物流施設・住宅(賃貸集合住宅)・商業施設(ショッピングセンター・ショッピングモールを含む)・ホテルなどが連想されることが多い(いわゆる伝統的セクター、図1および図2における水色の棒グラフ)。私募不動産ではそれらのセクターが中心的だが、実は上場REITではそれら以外のセクター(いわゆるオルタナティブ・セクター、図1および図2における青色の棒グラフ)の割合が高い。病院や医療研究施設などを指す「医療関連施設」、サーバーなどを設置・管理するための「データセンター」、家族向けに一戸建て住宅を貸し出す「戸建賃貸住宅」など、やや珍しい種類の不動産がオルタナティブ・セクターには含まれている。

オルタナティブ・セクターは、「市場規模が小さい」「取引量が少ない」等の理由でかつては機関投資家の間で一般的ではなかったが、近年では「高齢化の進行と医療関連施設の重要性の高まり」「IT化の進展とデータセンターへのニーズの拡大」「ミレニアル世代1の世帯形成による戸建賃貸住宅への需要の増加」など、社会的・経済的なトレンドが追い風になっているとされることが多い。いわば“次世代”を意識した不動産として運用会社・投資家から注目されているのである。

例えば、韓国のNPS(National PensionService、同国の公的年金基金)はそのような投資家の1人と言えるだろう。NPSは海外不動産のみで31兆ウォン(2021年末時点、10ウォン=1円として約3.1兆円)のポートフォリオを擁する2世界有数の不動産投資家だが、オルタナティブ・セクターのエクスポージャーを確保するために10億米ドル(1ドル=150円として約1,500億円)を上場REITに投資したと公表されている3。

近年日本で広がりを見せてきた海外私募不動産投資であるが、上場REITもオルタナティブ・セクターの将来性を背景として世界有数の投資家も取り組む資産クラスである点は意識しておくと良いであろう。

1 ベビーブーム世代の子供にあたるとされる、30代前後の世代を指して米国で使われる。ベビーブーム世代
の子供であることが背景となり世代人口が多いため、結婚や出産を通じて面積の広い住宅への需要を高める
牽引役になると予想されている。
2 NPS, 2021 National Pension Fund Annual Report
3 https://www.reit.com/news/blog/market-commentary/reits-complete-institutional-real-estateportfolios-
case-study-korean 2023年11月アクセス

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1
前の記事
景気サイクル終盤のクレジットファンド選定
2023.12.11

この連載の記事一覧

コンサルタント・オピニオン

上場REIT投資を通じた”次世代”の海外不動産投資

2023.12.13

景気サイクル終盤のクレジットファンド選定

2023.12.11

国内債券投資の再考

2023.12.08

おすすめの記事

SMBC日興証券で人気沸騰の「クロスオーバー・グロース」が新規募集停止、新たな成長期待は「半導体革命」や「成長戦略フォーカス」に

finasee Pro 編集部

野村證券で「S&P500」人気が後退、「日経225」「グロース・オポチュニティ」「情報エレクトロニク」「宇宙」がランクアップ

finasee Pro 編集部

マン・グループの洞察シリーズ⑲
AI投資ブーム:いずれ調整を余儀なくされる

「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

文月つむぎ

【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは

佐々木 城夛

著者情報

藤井 春登
ふじい はると
ラッセル・インベストメント オルタナティブ・アドバイザリー部 プライベート マーケッツ スペシャリスト
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
SMBC日興証券で人気沸騰の「クロスオーバー・グロース」が新規募集停止、新たな成長期待は「半導体革命」や「成長戦略フォーカス」に
野村證券で「S&P500」人気が後退、「日経225」「グロース・オポチュニティ」「情報エレクトロニク」「宇宙」がランクアップ
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
マン・グループの洞察シリーズ⑲
AI投資ブーム:いずれ調整を余儀なくされる
デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

「支店長! 金利が上昇しているのだから預貯金や円保険で十分です! お客さまにリスクの高い投資商品を提案する必要なんてないですよね?」
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
SMBC日興証券で人気沸騰の「クロスオーバー・グロース」が新規募集停止、新たな成長期待は「半導体革命」や「成長戦略フォーカス」に
マン・グループの洞察シリーズ⑲
AI投資ブーム:いずれ調整を余儀なくされる
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
投信資金流入動向、オルカンとS&P500は2大巨頭だが…TOP10入りの中で注目したい4本の共通点とその理由
野村證券で「S&P500」人気が後退、「日経225」「グロース・オポチュニティ」「情報エレクトロニク」「宇宙」がランクアップ
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

政府が「地域金融力強化プラン」をブレークダウンした都道府県別“新プラン”を策定へ
デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら