”DX人材育成”の現在
前回の臨時特集では、業界における人的資本開示結果より、DX人材の育成に(粒度や程度の差はあれ)注力して取り組んでいる金融機関があることが窺えた。今回の開示を受けて、各社の人事部やCDO(最高デジタル責任者)・デジタル企画部門の責任者の間では、「数字を開示したものの、社内外に向けて自信をもって発信できるほど、本当にDX人材は育成できているのか?OFF-JTやOJTには力を入れたつもりだが、DX人材育成が真に進んでいる実感がない」といった議論がなされているのではないだろうか。あるいは、他社の開示した金額や人数をみて、具体的にどういった内容なのか、成果はどうなのか、自社との比較・調査を迫られている担当者もいらっしゃるのではないだろうか。
DX人材育成がトレンドとなって年月が経過した今、取り組みを開始・継続するも結果が伴わず、「どこまで何をやるべきか」に立ち返っている企業もみられるため、本稿では各社の育成の中身について取り上げていきたい。