ガソリンに代表される燃料価格の高騰が、連日メディアを賑わしている。本稿では、複雑な税体系やトリガー条項の発動見送りについての論考は対象外とし、価格上昇に伴う影響に絞った分析・考察を行うこととしたい。
燃料を多量に消費する業界・セクターと聞いて、金融実務者が最初に連想するのは、配送・開運・旅客航空などを含む運輸業であろう。多様な運輸業の中で最も取引先事業者数が多い業種は、トラックやバンなどで荷物を運ぶ形態の運送業(陸運業)であり、これらに対する融資や投資に伴って、与信残高が相応に膨らむというのが金融機関の平均的な姿だろう。