資格も自己啓発も役に立たない!? その理由は
お金を稼ぐことは人生の目的ではなく、あくまでも手段にすぎません。楽しい人生を送るためには、稼ぐ以上にどうやって使うかを考えることが大切です。よく、若い頃は遊んでいないで「自分への投資」をしっかりやりなさい、ということを言われることがあります。その一つとして色々な資格を取ったり、高いお金を出して「自己啓発セミナー」に出かけたり、そういう類の本を読んでいる人は多いだろうと思います。でもそれらはおそらく何の役にも立ちません。驚かれるかもしれませんが、これは本当です。ではなぜそういうことをしてもあまり意味がないのかについてお話ししましょう。
まず多くの人が資格を取ろうとしますが、資格というのは取得しただけでは仕事にはなりません。いわば資格というのは必要条件ではあったとしても十分条件というわけではありません。では何が大切なのか? 答えは明白です。顧客がいなければ仕事になりません。だとすれば、資格を取ること以上に重要なことは「営業」です。自分で取得した資格を活用して業を為そうと思った場合は、何よりも顧客作りをすることが大切なのです。
自分で起業するところまでいかなくても、何かの資格を取っていれば転職に有利と考える人もいるでしょう。でも、非常に甘い考えです。なぜならサラリーマンでFP(ファイナンシャルプランナー)や中小企業診断士などの資格を持っている人は世の中にたくさんいます。
ところが採用する側からすると資格が欲しいわけではなく、技能と知見が欲しいのです。実際に実務経験のない資格保有者というのはおそらくあまり役に立たないでしょう。仮に現在の仕事に直接役に立つような資格であれば、取得後も実務で技能を高めていくことはできますが、資格ばかり取っている資格マニアみたいな人は、趣味としては面白いかもしれませんが、ほとんど実務で役に立たないだろうと思います。
次に自己啓発です。資格と同じように自己啓発に努めている人も世の中にはたくさんいます。その証拠に自己啓発本というジャンルは実によく売れています。さらにもっとすごいと思うのは、自己啓発セミナーです。だいたいそういうセミナーというのは高額のものが多いような気がします。半年間で50万円とか100万円払ったり、一回のセミナーでも10万円を取ったりします。
私は前から素朴に疑問に思っていることがあるのですが、なぜ次から次へと新しい自己啓発本や自己啓発セミナーが出てくるのでしょうか。本当に役に立つものであれば決定版みたいな本やセミナーを読んだり受講したりすれば足りるわけで、次から次へと新手のものが出てくるというのが不思議でなりません。
考えてみるとこれはダイエット法やダイエット本と同じ構造なんですね。これが決定版みたいなものがあれば、それだけが売れるはずですが、相変わらず様々なダイエット法の本が続々と発売されています。でもダイエットなんていうものは単純です。要はカロリーを計算してバランスよく栄養を取り、食べ過ぎないようにする。同時に運動を行って、基礎代謝を上げるということを地道にやれば必ず成功します。ビジネスで成功することもシンプルです。自分自身で考え、工夫したことを地道に血の滲むような努力を毎日続け、トライアンドエラーで修正しながら繰り返していけば、やがて必ずうまく行くのです。
要するにダイエットもビジネスもしんどいことはやりたくなくて、楽をして成功したいと思うから簡単ダイエットの本や自己啓発セミナーが大流行なのです。私はサラリーマン生活38年間の内、25年間は毎日這いつくばって顧客のところを外交して回りました。そうすれば成果は必ず出るし、技術もアイデアも自然に出るようになります。
はっきり言いますが、自己啓発セミナーなんて何の役にも立ちません。お金の無駄です。そういうもので信者を集めて儲けようとしている、いわゆるカリスマ〇〇みたいな人を儲けさせるだけです。ビジネスは理屈じゃありません。そんなセミナーに出たぐらいで上手くいくほど甘いものでもありません。ビジネスは自分で悩み、苦しみながら身に付けていく以外に成功する方法なんてものはないということを知るべきです。