「2000万円問題」の最中、若い世代への想いから設立

――「みらいプロジェクトコース」は、ESG投資・インパクト投資を行うこと、ビッグデータ・AIなど先進的なテーマに投資できること、そして利用者数に応じ三井住友銀行が寄付を行うことなど、「社会貢献」を打ち出しているのが特徴ですね。なぜ、こうした独自性の高いコースを立ち上げたのですか。

 みらいプロジェクトコースをリリースしたのは、2019年9月のことでした。当時は、いわゆる老後資金2000万円問題が大きな話題となっていた頃。SNS等を通じて「公的年金だけでは老後資金が足りないのでは?」という不安が若年層の間に広がっていき、結果として資産形成ニーズがより顕在化した時期でした。

三井住友銀行 田口紀子氏

こうした時代背景を踏まえて、「資産形成」による老後不安の解消を目的としつつ、「若い世代に明るい社会や未来を描いてほしい」との想いから、持続的な社会を支える企業への投資や、次世代を担う子どもたちを支援できるiDeCoのプランとしてつくったのが、みらいプロジェクトコースです。結果として、以下のような特徴を持つプランとなりました。

三井住友銀行「みらいプロジェクトコース」の特徴 1 運営管理機関手数料0円(条件なし・永年) 2 業界最安レベルの低信酬投信など、厳選した投資信託のみをラインアップ 3 全国の銀行窓口で相談しながら加入手続きが可能 4 業界初のコンセプト ESG投資・寄付等を通じた「iDeCo×社会貢献」 5 WEBでの加入申込みも受付開始。ますます利便性高く(2021/3/8~4/30キャンペーン実施中)

――みらいプロジェクトコースでは、定期預金などの元本確保型商品を扱っていませんね。マーケットが大きく変動する時には、元本確保型商品に資産を避難させたい人もいるように思います。「銀行」の看板を掲げながら、あえて元本確保商品を入れなかったのは、なぜなのでしょうか。

できるだけ多くのお客さまに、「積立投資」を通じた資産形成に取り組んでいただきたいと考えたことが大きな理由です。

バブル崩壊の苦い経験から、日本における「貯蓄から投資へ」の流れは道半ばです。近年、NISA制度を通じて多くの現役世代が積立投資に取り組み始めていますが、企業型DC(確定拠出年金)の加入者をはじめ、DC制度ではまだまだ元本確保型に資産が集まっているのが現状です。

そこで重要なのは「投資への抵抗感を下げる」ことだとわれわれは考えています。元本確保型をあえて入れないことで、多くの方に投資への一歩を踏み出していただきたい。そんな想いから商品選定を行いました。

もっとも、元本確保型を採用している「標準コース」へのコース変更は、いつでも可能です。特に若年層のお客さまにおいては、まず、みらいプロジェクトコースで資産形成をしていただき、リタイアが近くなったらコース変更を含めてライフプランを再考していただく、といったご利用スタイルが考えられると思います。