今は投資より生活防衛資金を貯めることを優先

平田さんは現在つみたてNISAで投信積立をしているものの、さらなる投資での資産形成にご興味があるようですね。今や銀行預金ではお金は増やせない時代ですので、とてもよい考えだと思います。しかし、今の平田さんご一家にとって、リスクのある投資での資産形成より、生活防衛資金となる安定的な資産を築くことが最優先ではないでしょうか。

生活防衛資金とは、失職や病気などで収入が途絶えた場合に備えて用意しておく資金を指します。月の生活費の半年から1年分のお金を用意しておくことが望ましいとされています。もちろん生活を守るためのお金である以上、価格の変動のある投資で形成するのではなく、銀行預金など元本保証のある商品で貯めていくのが適切です。

平田さんご一家の1カ月あたりの支出を35万円とした場合、少なくとも半年分である210万円を貯めておくことが理想的です。現在の貯蓄額からすると程遠い額に思えるかもしれませんが、毎月の支出を削ったり、ボーナス支出を見直したりするだけで貯めることはできるはずです。そのためには先述した節約はもとより、通信費や日用品費など細かな節約を行うこともおすすめします。

まずは具体的な貯蓄計画を考えましょう。例えば「100万円貯める」ことを目標にした場合、毎月2万円と夏と冬のボーナスからそれぞれ10万円ずつ貯蓄できれば年間44万円貯められます。約2年ちょっとで目標額達成です。投資で少しでも貯蓄を増やしたいというお気持ちは理解できますが、今は焦らず生活防衛資金を貯めることに優先事項としてください。