海外口座の相続は、数年&数百万円の費用がかかる! 早めのクローズが吉

では、具体的にどんな断捨離を行えばいいのでしょうか。

最優先事項は、金融機関の口座の整理です。何年間も利用していない口座は解約の手続きを取りましょう。その際に注意したいのが、残高が0円の口座です。「お金が入っていないのだから、放っておいて構わないだろう」とお考えになる方が多いようですが、口座としてはしっかり残っていますから、放置しておけば相続の際に手続きが必要になるのです。

特に気を付けたいのが、現役時代に転勤族だった人や、海外赴任の経験がある人です。赴任先の金融機関で開設した口座をそのままにしてはいないでしょうか? 地方の金融機関だと都内に支店がないことも多く、郵送でのやり取りとなるため、メガバンクや大手地方銀行以上に手続きに時間がかかる可能性があります。

海外の場合はさらに厄介です。国や州によって事情が異なりますが、以前、取材で伺った話では、米国に口座を残してきた人が弁護士を立てて手続きをしたところ、先方の対応が遅いこともあって解約まで半年近くを要したそうです。しかしこちらも、面倒だから、喫緊の必要性はないからといって放っておくと、とんでもない相続の手続きが待ち受けています。

例えば米国の場合、相続には裁判所による「プロベイト(Probate)」という検認手続きが必要になります。相続が発生すると、故人の財産は独立した「エステイト(Estate)」と呼ばれる遺産財団の一部となります。財産の帰属先を相続人に変える手続きを行うのは、「パーソナル・リプリゼンタティヴ(Personal Representative)」と呼ばれる代理人で、裁判所から任命されたパーソナル・リプリゼンタティヴが財産や相続人の調査や確定、米国での確定申告などを行います。

その後、裁判所の許可を経て遺産が分配されるまで、長い場合は3年ほどかかります。さらに発生する費用についても、海外の弁護士や会計士などの専門家が関与するため、数百万円に上ることもあると言います。

いかがでしょうか? ご自分の死後、子どもたちにこのように大きな負担をかけたくないのであれば、多少面倒でも、今のうちに片を付けておくのが無難かと思います。