なぜストラテジックキャピタルはガンホーを狙ったのか
SCが問題視している点は、現金水準、株主構成、ガバナンス、情報開示の4領域にまたがる。現金水準については、単体の現金同等物の20%にあたる169億円(1株当たり311円)の配当を求めた。事業運営に支障のない範囲で現金を減らすことが目的だとしている。
情報開示については、有料タイトルの販売本数を開示するゲーム企業が多い一方、ガンホーが開示するのは無料ゲームのダウンロード数が中心だと指摘する。そのうえで、主要タイトル・シリーズの売上高開示を求めている。
2026年2月1日付の役員異動では、森下一喜氏が代表取締役社長から取締役会長に、坂井一也氏が取締役CFOから代表取締役社長に就いた。SCはこれを、権限の分散に見えても、会長が代表取締役社長より高い報酬を得る前提であることから経営責任を曖昧にするものと評価している。
筆頭株主22.1%と約1,200万株の自己株式取得という「議決権と需給の構造」
SCが最初に挙げた提案は、株主構成の見直しである。筆頭株主の孫泰蔵氏は議決権の約22.1%(保有議決権数120,065個)を持ち、SCはその議決権行使次第で多くの議案の結果が変わり得ると指摘している。
SCは臨時報告書を基に、孫氏が一貫して会社提案に賛成、株主提案に反対してきたと示している。多くの海外機関投資家が賛成したSC提案にも反対したという。
一方、株式の需給面を見ると、孫氏は取締役退任後に累計約1,194万株を売却しており、現在も約1,200万株を保有する。SCはこの分の売却時期が不透明な点を、他の株主にとっての需給悪化の懸念と位置づけている。SCは約1,200万株(2025年12月末で約302億円相当)の自己株式取得を提案し、経営陣への緊張感、需給懸念の払拭、資本効率の向上を期待できるとしている。6件の提案は次のとおりである。
SCによる株主提案

