流行に惑わされず、納得できる保有理由を持つ
――個人投資家が「良いファンド」を選ぶ判断軸をどのように考えますか。
かえる氏 投資は将来のリターンを期待して行うものですが、暴落時などは不安になります。だからこそ「なぜ自分はこのファンドを持っているのか」という納得できる保有理由が必要です。その際、理念や運用方針に共感できるかどうかが重要になると思います。
イーノ氏 金融工学的には、低コストで全世界に広く分散投資するインデックスファンドが最も合理的であり、その結論は揺らがないと思っています。一方で、例えばアクティブファンドには、「健康や平和に影響を及ぼしかねない会社には投資したくない」といった個人の価値観や意思などを反映できる面白さもあります。
かえる氏 ブームに乗った尖ったファンドは数年で消えていくことも多いですが、コストが低くシンプルなものや、しっかりとした運用思想を持つファンドは生き残ります。長年見ていると、本当に良いものは自然と洗練されて残っていくのが分かります。
イーノ氏 個人的には、投信業界には常に健全な競争をしてほしいと思っています。例えばアクティブファンドにおいても、運用哲学以外のテクニカルな発想からの商品設計があっても面白いですよね。インデックス投信では指数会社にライセンス料を支払いますが、独自運用のアクティブ型で薄く広く全世界に分散投資できるような設計を工夫するなど、新しい自由な発想の商品が出てくることにも期待しています。
「良いファンドをもっと広めたい」、より多くの投資家の声を集める
――Fund of the Yearでは、2024年からファンドの投票資格をブロガーから一般の個人投資家へ広げました。その理由は何ですか。
かえる氏 SNSの普及に伴い、ブログ以外の場所で発信する個人投資家が増えたためです。時代の変化に合わせて門戸を広げました。一方で、順位が荒れるのではという懸念もありましたが、皆さんが非常に真摯に投票してくださったので杞憂に終わりました。
イーノ氏 同時に「インデックス部門」と「アクティブ部門」を分けたのも大きな変化です。コスト面で有利なインデックスファンドに埋もれがちだった優れたアクティブファンドにも光を当てられるようになりました。「もうちょっと世の中にはたくさん良いファンドがあるのにな」ともどかしい思いもあったので、部門を分けることで知ってもらえるきっかけとなり、シンプルに良い判断だと思っています。
