“オルカン”誕生のきっかけは投資家の声、個人投資家と運用会社の壁を取り払う
――手探りで始まったイベントですが、2016年には金融庁長官(当時)から祝辞をもらうまでに大きくなった背景は?
かえる氏 最初は運用会社の皆さんも、受益者であるわれわれ個人投資家とどう接すればいいのかと、慎重な姿勢が目立つ印象でしたね。宣伝行為とみなされないか、心配されていたのかもしれません。
イーノ氏 最初に表彰式に出席してもらおうと運用会社の方々に声を掛けた時も、われわれは個人で業界につてもないですから、お客さま相談室にメールをしたりと地道なアプローチから始めました。最初は連絡をしても不審がられたりもしましたが(笑)、回数を重ねるうちに信頼関係を築いていくことができました。こうした活動が実を結び、10周年の際には当時の金融庁長官(森 信親氏)からお祝いのコメントをいただくまでになり、大きな節目となりました。
――個人投資家と業界側、それぞれの意識の変化をどのように感じますか。
イーノ氏 当時から投信ブロガーは、運用の仕組みから信託報酬の内訳まで、とにかく根掘り葉掘り調べる熱心な人が多かったんです。例えば、運用会社主催の意見交換会(ブロガーミーティング)なども行われるようになり、われわれがマニアックな質問をぶつけると、「そんなことまでご存じなのですか」と運用会社の方から驚かれたり。こうした熱量や情報発信が伝わったからこそ、Fund of the Yearで発表するランキングやわれわれのコミュニティの存在感が高まっていったのだと思います。
かえる氏 あの「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))」の誕生を後押ししたのも、投資家たちの声でした。「VTのような低コストの全世界株ファンドを作ってほしい」という意見が商品化を後押ししたのです。まさに投資家たちの熱意が商品誕生のきっかけとなった象徴的な出来事です。
