本決算で12%高、DOE導入で大型増配と自社株買いが好感 業績には課題感
ハウス食品の株価の急騰は、26年3月期通期の決算発表が契機となりました。決算は取引時間中に開示され、同日の株価は前営業日比12.8%高となる3337円で取引を終えています。買いはその後も続き、株価は冒頭の4100円台まで上昇します。
この決算では、株主還元の強化が発表されました。従来の総還元性向40%以上(27年3月期までの3年間は同50%以上)を見直し、DOE(純資産配当率)で3%以上、かつ原則として累進配当を実施する方針へ変更しています。
ハウス食品の1株あたり配当金は40円台後半が続いていましたが、これに伴い、26年3月期は従来の48円から70円に上方修正し、今期(27年3月期)予想は30円増配の100円と、大幅に引き上げられる見通しです。さらに、自己株式を除く発行済み株式数の最大13.16%に相当する自社株買いも発表しています。
一方で、同時に公表された業績は厳しいものでした。26年3月期はコストの増加が重く、主力の香辛・調味加工食品事業は値上げ実施も利益は前期並みにとどまり、「CoCo壱番屋」の外食事業も減益となりました。
連結では営業利益が前期比8.8%減、最終利益は米キーストーンの減損損失などから同41.1%減と大幅な減益となります。キーストーンは大豆由来の肉代替製品を手掛ける企業で、ハウス食品は米国事業と食品事業の強化を目指し22年に買収しましたが、2年連続の減損損失となりました。米国の食品事業は想定よりも苦戦しているようです。
さらに、中長期の見通しも下振れる公算です。3年間の中期経営計画において、今期の営業利益は270億円に達する計画でしたが、これを185億円に減額(後に175億円へ再調整)し、30年3月期の目標は白紙化されています。
このように、26年3月期通期の決算は業績面では課題感のある内容でした。しかしながら、公表された株主還元の強化案が好感され、株価は上昇したと考えられます。
