月額約7万6000円の受給を目指して…医師への伝達と家族の覚悟

「初めて病院を受診した日に国民年金に加入していれば、障害基礎年金を請求することになります。障害基礎年金には1級と2級があり、より障害状態が重い方が1級となっています。精神疾患で1級になることは稀なので、仮に2級に該当した場合の金額も確認しておきましょう」

■障害基礎年金の2級に該当した場合
障害基礎年金 7万608円
障害年金生活者支援給付金 5620円
合計 7万6228円
※2026年度のものでいずれも月額
※弟は20歳から国民年金に加入。その保険料は家族が代わりに支払ってきたので未納期間はなし。

金額を確認した節子さんは言いました。

「これだけあれば十分です。弟のお小遣いにあてられますし。それで弟は障害年金が受給できそうなのでしょうか?」

「障害年金が受給できるかどうかは、主に医師の作成する診断書と本人またはその代理人が作成する病歴就労状況等申立書という書類の記載内容で判断されます。診断書は医師が作成するので、主治医に弟さんの日常生活の困難さや就労の困難さを具体的なエピソードを交えできるだけ多く伝えることが重要です。伝える方法は文書にするほうが望ましいでしょう。その文書の内容を、そのまま病歴就労状況等申立書にも転記できますから」

すると節子さんは不安そうな表情になりました。

「何だか大変そうですね……。果たして私でできるかどうか」

「弟さんの同意が得られれば、その辺の作業は私もご協力できます。ご安心ください」

とはいえ、と前置きをしたうえで筆者は続けました。

「そもそも弟さんは、これから病院を受診することに同意をしているのでしょうか?」

「いいえ、まだ何も話していません。これから弟を説得するつもりです。受診の件は弟も分かってくれると思います。私たち家族にはもう後がありませんから」

節子さんは覚悟を決めた表情でそう言いました。