母親という生き方に翻弄された女性
子どもの結婚には、必ずといっていいほど親が関わってきます。
特に母親は、子どもを育て上げたという気持ちが強くなることもあり、わが子のことになると、見境がなくなる場合も少なくありません。今回は3人の子どもたちを全員国立大学に入学させ、そのうちの2人を医師に育て上げた方のお話です。
自分の理想を実現する、献身的な母親
笹沼美子さん(仮名)が地方の中都市に住んでいた頃、子どもたちはまだ小学生でした。
美子さんは、自分が思い描く通りに子育てを進めていきました。子どもは女の子が2人、その間が男の子で、それぞれ2歳違いです。長女は小学校の5年生、長男は小学校3年生から塾通いを始めました。
次女は長女が中学校に入った年に入塾。とにかく、勉強に力を入れている家庭で、それは美子さんの理想でもありました。だからこそ、美子さんも驚くくらい献身的だったのです。
朝、子どもたちを学校に送り出すと、家事を手早く終わらせ、夜のお弁当作りに入ります。これは塾のための弁当。栄養を考えた手作りで、子どもたちの好物がそろっていました。もちろん、おやつも用意します。
そして、学校が終わる頃、車で迎えに行きます。3人をピックアップして、それぞれ塾に送ります。ここでおやつタイム。おやつは子どもの気分を上げるための重要なものでした。やる気になってくれないと、せっかくの塾も台無しだからです。
塾に着いたら弁当を渡します。これは子どもたちの夕食になります。なぜなら、塾が終わるのが10時頃になるからです。その頃、美子さんが迎えにいきます。
まるで教育ママのように見えますが、美子さんは休みの日には子どもたちが希望する動物園や遊園地などに行っていました。勉強ばかりでは、子どもは頑張れないからです。このようにして子どもたちのモチベーションを上げ、健康管理もしてきました。
それは小学校から中学校、そして高校まで続く、美子さんのルーティンでした。
