<前編のあらすじ>

マイホーム購入を目前に、妻・美穂の衝撃的な裏切りが発覚した。趣味の「推し活」に狂い、10年かけて貯めた教育資金450万円を全額使い果たし、さらに200万円の借金まで抱えていたのだ。

驚き問い詰める夫に対し、妻は「彼(推し)を支えるためだった」と涙ながらに主張する。信じていた家庭の土台は音を立てて崩れ、夫はついに「離婚」を突きつける。

●前編:3万円のチケットに10万円の投げ銭…“推し”への課金が止まらない妻、「家族への裏切り」がバレたまさかの瞬間

突きつけられた「もう1つの裏切り」

翌朝、私のスマホに美穂の両親から着信があった。

「……実は、美穂から『パパが病気で入院するから100万円貸してほしい』と言われて、渡してしまったんだ」

怒りを通り越し、脳が沸騰するような感覚だった。彼女は自分の親まで騙し、推しの俳優を追いかけるための「遠征費」を工面していたのだ。

美穂はリビングの床にへたり込み、幽霊のような顔で私を見上げていた。

「死んでお詫びするしかないと思ってる……」

「そんな言葉で逃げるな!」

私の怒声が家中に響いた。その時、子供部屋のドアがわずかに開き、娘が震えながら私たちを見ていた。

「パパ、ママ、喧嘩しないで……。私、私立の中学に行かなくてもいいから」

娘はすべてを察していた。自分のための貯金がなくなったことも、家の中が壊れかけていることも。その小さな肩の震えを見た瞬間、私の心の中で燃え盛っていた怒りの炎が、しゅうしゅうと音を立てて冷えていくのが分かった。