感情の爆発、そして「底」からの対話

それから一週間、私たちは一睡もできないような話し合いを続けた。

美穂は最初、言い訳ばかりを並べていた。

「孤独だった」

「育児のストレスがあった」

「彼だけが私を認めてくれた」

だが、私が「じゃあ、俺と娘は君にとって何だったんだ?」と静かに問いかけた時、彼女はようやく崩れた。

「……怖かった。自分が空っぽなのがバレるのが怖くて、何かに熱狂している自分を演じていないと、生きていけなかった。お金を使うことでしか、自分の価値を感じられなかったの」

それは、醜くも切実な、彼女の本音だった。

私は、彼女をそこまで追い詰めていた自分の無関心さにようやく気付いた。もちろん、彼女がやったことは許されることではない。450万円という損失は、私たちの人生を確実に数年分、後退させたのだから。

夫が提示した関係修復のための条件

私は離婚届をテーブルに置いたまま、一つの提案をした。

「離婚はしない。ただし、これから5年間、君に自由な金は一円も渡さない」

私たちは現実的な「修復」のための条件を詰め、公正証書に近い形の念書を作成した。

美穂のパート代はすべて借金返済と貯金の補填に充てること。

スマホの管理権は私が持ち、GPS共有とSNSアプリの削除を徹底すること。

「推し活」に関する一切のグッズを処分し、ファンクラブを退会すること。

美穂は震える手で、大切にしていたサイン入りのポスターをシュレッダーにかけた。それは彼女にとって、自分のアイデンティティを切り刻むような作業だったに違いない。だが、そうしなければ、私たちは家族として同じ空気を吸うことさえできなかった。