25年の国勢調査、人口減が過去最大

総務省が5月29日発表した25年国勢調査(速報値)によると、日本の総人口は5年前から309万人減り、1億2304万人となりました。減少幅は過去最大で、戦後初めての減少となる横浜や広島を含め20の政令指定都市のうち13市で人口が減少するなどショッキングな内容でした。

「まちづくり」で地域に価値を提供する民間鉄道会社

人口減少は、国内市場の縮小による経済規模の低下をもたらし、インフラの維持困難などが深刻化し社会全体の持続可能性に大きな影響を与える。地域経済やコミュニティを維持し、住民の生活の質を低下させないために、人口減の時代に応じた「まちづくり」、「都市の再編」などが必要と考えます。

日本では、関西の民間鉄道会社が100年以上前から手がけている鉄道駅を中心にした「まちづくり」のモデルが、日本の民営鉄道会社に広がり、鉄道とともに「まちづくり」が広がっていきました。鉄道沿線に魅力ある商業施設などをつくると、沿線人口が増え、鉄道を利用する人が増える。さらに、駅を拠点として、住宅街や観光地へ路線バスネットワークを張り巡らせることで、鉄道、バス双方の利用者が増加し、地域の利便性が向上し、価値も向上していきました。

中長期の乗降客数の増加をKPIとする私鉄も

「まちづくり」や「まちの発展」が経営において大切となる私鉄各社は、「沿線内にいかに多くの人を呼び込むか」を非財務KPI(重要業績評価指標)として、持続可能な地域社会の形成に取り組んでいる。

ある私鉄は、沿線内にいくつかの強化エリアを定め、自ら駅前開発を進め、他の企業による新たな開発も呼び込むことで、沿線全体の魅力を高め、人の流れや人口の増加につなげようとしています。沿線エリアの居住地域における満足度をモニタリングするとともに、2030年および2040年に向けた強化エリア主要駅の乗降客数の増加目標数値を重要な経営指標に掲げています。

また、他の私鉄は、「お客様が足を運びたくなる沿線」、「多世代交流・共生」といった目指す姿の一端を映し出す指標として、「鉄道輸送人員」、「交流人口」をモニタリング指標とし、その増大を図っています。沿線における住宅供給やエリアごとの賑わい創出、スポーツを通じた地域活性化、などの施策で、2030年度の移動需要(人数)創出数の目標を数値化しています。