選択肢が広がる中で…アドバイザーに相談するのも手

だからこそ重要になるのが、「出口」の考え方だろう。

NISAであれば、必要な時に必要な分だけ取り崩すことができる。しかしiDeCoは、60歳以降も完全に自由というわけではない。一時金として受け取るのか、年金形式で受け取るのかによって税制も変わる。勤務先の退職一時金がある場合は、その兼ね合いも考えなければならない。つまり、「老後資金を準備する制度」である以上、積み立てる場面だけでなく、「どう受け取るか」まで含めて考える必要があるということだ。

これまではiDeCoの拠出限度額が比較的小さかったこともあり、「まずiDeCoを優先する」という考え方には一定の合理性があった。しかし、2027年からは拠出限度額の大幅な引き上げも予定されている。会社員(第二号被保険者)で毎月最大6万2000円まで拠出できるとなると、iDeCoとNISAでそれぞれいくらずつ積み立てるか、単純な損得勘定ではなく、「どう使い分けるか」をより真剣に考える必要が出てくる。

将来の使い道やライフプランが変化する可能性も踏まえると、「自由に動かせる資金」と「老後まで固定化する資金」をどう配分するかがポイントになる。特にiDeCoは、積み立てる場面だけでなく、「どう受け取るか」まで含めて考えた方が良い。退職金の有無や受取時期、公的年金との兼ね合いなどによって、望ましい出口戦略は大きく変わる。

つまり、iDeCoは「積み立てれば終わり」の制度ではないということだ。出口戦略は本来、退職金や年金、家族構成、働き方などによって大きく異なる。一般論で語ることは極めて難しい。

もし自分だけで整理することに限界を感じるのであれば、ファイナンシャルプランナーやアドバイザーに相談するという選択肢もある。その際は、商品の提案にとどまらず、「制度をどう使い分けるか」「どう受け取るか」といったキャッシュフローの出口戦略まで含めて相談できるかどうかも重要な視点になる。制度が複雑化し、選択肢が広がる中で、投資家だけが成長を求められる時代ではもはやない。アドバイザー側にもまた、商品知識を超えた制度理解や、出口戦略まで含めた提案力が、これまで以上に求められることになるだろう。