iDeCo手数料引き上げから考える―iDeCo vs NISA論争の妥当性
iDeCo(個人型確定拠出年金)の手数料引き上げが話題になっている。去る4月30日、国民年金基金連合会は、加入者が負担する手数料を、現行の「1回105円」から「月120円」に引き上げると発表した。消費税対応を除けば、約15年ぶりの見直しとなり、2027年1月の納入分から適用する。
注目すべきは、年1回など「まとめて拠出」している場合の扱いも変わる点だ。現行制度では、年1回拠出であれば手数料の支払いも1回で済む。しかし見直し後は、拠出月数に応じて手数料が発生する。例えば12カ月分を年1回で拠出している場合でも、12カ月分、合計1440円の手数料を支払うことになる。年1回拠出という工夫まで実質的に不利になる点については、筆者自身も理不尽さを感じている。
もっとも、iDeCoで各種の手数料が発生すること自体は以前から変わっていない。加入時や給付時にも手数料がかかり、運営管理機関によっては独自の口座管理手数料も発生する。iDeCoは、制度設計上、関係する機関が多く、加入者が自分で運用商品を選び、資産管理も必要になるため、コストが発生しやすいという面がある。
一方、NISAは単純な非課税口座であり、口座開設や口座管理に関する手数料は基本的にかからない。投資信託そのものの信託報酬などは必要になるが、「制度を利用・維持するためのコスト」という点では、iDeCoとは性格が異なる。
その意味で、今回の件で改めて考えるべきなのは、iDeCoとNISAを「投資口座」として同列に捉えてよいのか、という点ではないだろうか。
