なぜ解約が増加した? 見落とされがちな“視点”
前回の記事※では、プライベートクレジットとサブプライム問題の共通点と違いについて整理した。
その中で、現在の市場は金融危機の再来というよりも、クレジットサイクルの調整局面にあると述べた。
もっとも、足元で話題となっている「解約の増加」には、もう一つ見落とされがちな重要な視点がある。
それは、「投資家がなぜ動いたのか」という点である。
※プライベートクレジットは「次のサブプライム」なのか? 危機当時、NYで証券化ビジネスの最前線にいた筆者が明かす共通点と決定的な“違い”
信用不安だけでは説明できない
最近の報道では、ソフトウェア企業向け融資の悪化や、デフォルト懸念が繰り返し取り上げられている。
確かに、AIの進展によって一部のSaaS企業の成長見通しが揺らぎ、プライベートクレジットの融資先に対する懸念が高まっているのは事実である。
しかし、信用不安があるからといって、それだけで「解約が集中する」とは限らない。同じように信用懸念があっても、解約が起きにくい商品も存在するからだ。
では、今回なぜ解約が集中したのか。
