「いつでも・どこでも」学べる形が主流に

コロナ禍以降、継続教育のスタイルは大きく変わった。今やオンラインや動画配信が主流となり、最も多い実施方法は「継続教育用として配布・作成されたPDFやコンテンツをイントラや社内掲示板等に掲載」(47.3%)。次いで「運営管理機関の加入者専用サイト(常設)の閲覧を推奨する方法で実施」(37.2%)、「動画配信でいつでも閲覧できる方法(常設)にて実施」(34.2%)と続く。働き方が変わった今、好きなときに学べる利便性が求められているようだ。

一方で、対面実施(リモートとのハイブリット形式、アーカイブ配信を含む)も根強い。特に50〜99人規模で36.1%と最も高くなっている。1,000人未満の企業では対面実施の割合が高く、調査ではその実施効果を再認識する声も聞かれたという。

また5,000~9,999人規模でも36.0%と高めの結果が出ており、こちらはリモートとのハイブリット形式や、アーカイブ配信を実施しているところも多そうだ。デジタルと対面をうまく使い分けながら、それぞれの職場に合った教育スタイルを模索する動きが広がっているとみられる。

教育内容は基礎中心、一方で課題も

教育内容で最も多いのは「DC制度内容について」(77.9%)と「資産運用の基礎について」(77.2%)。まずは制度をしっかり理解してもらうという、基本を大切にする姿勢が数字に表れている。また「運用商品について」(59.5%)の実施率も高い。選べる商品が増えている今、それに合わせた教育も欠かせなくなっているということだろう。

企業規模別に見ると、大企業ほど教育内容が充実している傾向にあるようだ。従業員1万人以上の企業では「ライフプランについて」(69.8%)や「マッチング拠出や選択制の利用促進のため(60.4%)など、より踏み込んだテーマも取り扱われている。

一方で、見落とされがちな分野もある。「資格喪失時の対応・ポータビリティについて」の実施率は全体でわずか7.0%。資格喪失とは主に転職や退職のことで、その際に必要な手続きを知らないまま放置すると、積み立てた資産が自動移換され、管理費がかかり続けてしまう。自動移換者を減らすためにも、この分野の教育充実は今後の重要な課題といえそうだ。

企業型DCの継続教育は、実施率、手法、内容のいずれも着実に進化している。デジタル化で学びやすい環境が整ってきた一方、転職・退職時の手続きなど知らないと損をする情報の周知と理解が労使ともに必要とされている。

●実際に効果があった教育手法や加入者から好評だった取り組みの具体例は? 後編「【好評事例を公開】無関心は損! 企業型DCの継続教育をフル活用して「資産形成上手」になるには?」で詳報する。

調査概要 調査名:「企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査 2025年版(第21回)」 調査対象:確定拠出年金企業型年金承認規約代表企業7,382社(2025年2月末現在)のうちアンケート発送が可能な企業7,098社 調査期間:2025年6月末~8月上旬 調査票回収数:2,029票(うち有効調査票回収数:1,687票) 調査主体:特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会