憧れの街・北千住で過ごす日々に忍び寄る影

8年ぶりに都下の自宅に戻ってきたのは去年の秋のことです。それまではずっと、会社からドアツードアで30分ほどの北千住の賃貸マンションに住んでいました。

北千住は、江戸時代の宿場町の面影を残しながら、流行りのカフェやレストランも次々オープンしている“古くて新しい街”です。大学のキャンパスも多く、駅周辺には若い世代の姿が目立ち、活気があります。

週1で通っていたイタリアンバル、マスターが丁寧に淹れてくれる珈琲が絶品の昭和な喫茶店、フィンランドサウナもあるお気に入りの銭湯、墨田川と荒川に挟まれたほっこりする公園……1つ1つが私にとってかけがえのない日常でした。

都心から1時間半という中途半端な距離に実家のある私は、大学時代は親に下宿を認めてもらえず、大学は授業が厳しいところだったこともあり、ほぼほぼ実家とキャンパスを往復するだけの無為な4年間を過ごしました。それもあって、就職して半年も経たないうちに家を出て一人暮らしを始めたのです。

4年前には新築の1LDKの賃貸マンションに引っ越しました。そして近年は、スタイリッシュな内装のそのマンションにマッチした家具や食器などを少しずつ揃えるのが楽しみになっていました。