元本確保型が減り、投資信託が増えた理由
元本確保型の選択割合は預貯金と保険を合わせると3年前比で14.6ポイント減っている。うち預貯金は同9.5ポイント、保険は同5.1ポイント減少した。
反対に、投資信託が選ばれている割合は14.8ポイント増えている。この数字は前述の元本確保型の減少分とほぼ同等だ。
理由は2つ挙げられる。1つはインフレ対策だ。長らく続いたデフレ環境からインフレへと変わる局面で現金価値の目減りに危機感を覚えつつある人も増えているだろう。預貯金の利息が物価上昇率を下回る状況では元本は守られても、実際には買えるものが減ってしまうという実質的な資産減少が起こりえる。そこでインフレに強いとされる株式などのリスク資産へ投資信託を通じて資産を移し、購買力を維持しようとする心理が働いているのではないか。
2つ目はNISA制度の普及による投資知識の拡大だ。2024年から新NISAが始まり、メディアなどでも資産形成の特集が増えている。iDeCoもNISAと同じ資産形成のための非課税制度であり、NISAの普及に伴い注目度が高まっている。それにつれ、投資リテラシーも向上しつつある。長期・積立・分散投資の重要性が広まり、税制優遇のあるiDeCoでも預貯金ではもったいないという意識が広まっていく可能性がある。
なお前述どおり、元本確保型商品にも種類がある。具体的にどんな商品が選ばれているかを知ることが今後の資産形成に役立つだろう。
調査概要 調査名:「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」調査主体:運営管理機関連絡協議会 公表:2025年11月
