買付額は14兆円を突破、年初と年末に投資意欲が集中
成長投資枠とつみたて投資枠では、どちらが使われているのだろうか。つみたて投資枠なら毎月、同額を設定している人が多いはずだ。一方で成長投資枠の使い方は千差万別だろう。調査結果の傾向を参考に見てみたい。
大手証券会社10社における25年の成長投資枠とつみたて投資枠の合計買付額は、年間で14兆2023億円に達した。24年の12兆8778億円から約10%増加しており、投資意欲は高まっている。
NISA買付額の月間推移(大手証券10社ベース、2025年1月~12月末)
2025年、2つの投資枠ではそれぞれ年間どの程度、買い付けされたのか。
・成長投資枠:9兆5301億円(全体の67%)
・つみたて投資枠:4兆6723億円(全体の33%)
割合としては成長投資枠とつみたて投資枠でほぼ2対1のバランスで買付されている。成長投資枠の年間上限は240万円。一方でつみたて投資枠は120万円のため、この比率からほぼ上限額どおりに使われていると言えそうだ。
一方でいつ買えば良いのかなどといった、買付の時期について議論されるケースがある。データを見てみよう。買付には明確なリズムがある。NISA口座全体で見ると、1月(約2.4兆円)と12月(約1.5兆円)の2カ月だけで年間買付額の約28%を占めており、年初と年末に投資意欲が集中する傾向が鮮明だ。
中でも月ごとの変動が激しいのが成長投資枠だ。1月の1兆9204億円をピークに、5月には4462億円まで下落するなど月によって変動が大きい。相場の動きを見ながらチャンスと感じたタイミングで資金を投じる「攻め」の姿勢が見て取れる。特にトランプ関税ショックが起こった4月は9603億円と、3月の9368億円とほぼ同等に買われていた。押し目買いに動いた投資家の姿が垣間見えるようだ。
対して、つみたて投資枠は毎月3000億円台後半で安定しており、着実に「守り」の資産形成が根付き始めている。ただ、つみたて投資枠でも1月、12月は4800億円台と、ほかの月より買付額が多い。
あわせて注目すべきは、つみたて投資枠の顕著な伸びだ。25年末には4兆6723億円となり、前年比で約9100億円増加した。成長投資枠は9兆5301億円だったが、その伸びは同約4100億円増と、つみたて投資枠の方が増加額は倍以上、上回っている。つみたて投資枠は、旧つみたてNISAの最終年(23年)の総額が約1兆2000億円だったため、規模は2年で約4倍に膨らんだことになり、劇的な変化を遂げている。
NISAは開始時のブームを経て定着期へと移行したようだ。成長投資枠で戦略的に「攻め」を狙い、規模が膨らんだつみたて投資枠では「守り」を使い分ける。そんな投資家の成熟が垣間見える結果といえそうだ。
●新NISA、何が人気? 後編「【投資信託&株式】NISA買付額上位10銘柄の傾向は? <NISA利用者は「攻守を使い分ける」戦略家に>」で詳報する。
調査概要 調査名:「NISA口座の開設・利用状況(証券会社10社・2025年12月末時点)」 調査主体:日本証券業協会 公表:2026年1月20日

