鉱山技術がレアアースで再注目 金属材料はAI需要で増産へ

古河機械金属の株価高騰は、レアアースやAIといったテーマに関連していることが一因です。

まずは事業内容を俯瞰しましょう。古河機械金属は7つの事業セグメントを持ちますが、大きく「機械事業」と「素材事業」、そして「不動産」に整理できます。

中核は機械事業で、主力の産業ポンプと掘削機械はいずれも国内トップシェアです。素材事業はガリウムヒ素(GaAs)半導体に用いられる高純度金属ヒ素で世界トップシェアを握るほか、窒化アルミセラミックスは半導体の製造プロセス向けに需要が拡大しています。近年は素材事業の利益が成長しており、全体の業績に貢献しています。なお、不動産は休廃止鉱山の管理に向けた財源の位置付けです。

【セグメント情報(25年3月期)】

古河機械金属のセグメント情報(25年3月期)を表した図表
 
出所:古河機械金属 決算短信
 
古河機械金属の事業群別の営業利益(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:古河機械金属 決算短信より著者作成
 

そして、古河機械金属の機械事業はレアアース関連として注目されています。レアアースは生産の大半を握る中国で輸出を規制する動きがあり、需要のひっ迫が懸念されています。中国外でも産出の動きが予想され、鉱山機械を手掛ける古河機械金属には追い風です。

また、26年1月には海洋研究開発機構が南鳥島周辺でレアアース泥の採鉱に向けた試験を開始しました。商業化のハードルは高いものの大きな期待を集めており、株式市場でも注目されています。

古河機械金属は地上鉱山向けが主体ながら、海底鉱山向けの技術も有します。例えば、同社は経済産業省が実施する海洋資源の研究事業(※)において委託先に名を連ねます(出所:経済産業省)。また、海底のレアアースを回収する試作機を作成し、関連技術の特許数は国内トップクラスとの報道もあります。株式市場は有力企業の一角と認識し、同社へ資金を振り向けているとみられます。

※…海洋鉱物資源開発に向けた資源量評価・生産技術等調査

続いてAIとの関連です。AIと古河機械金属の関係は主に素材事業にあります。

素材事業では電気銅を生産しますが、銅はデータセンターの需要から値上がりが顕著です。指標となるLME銅先物は26年1月に史上最高値となる1万3000ドルを突破しました。銅価格の上昇は古河機械金属の金属事業に価格差益として反映されており、業績に追い風が期待されます。

また、金属事業では窒化アルミセラミックスを生産しますが、これは主に半導体製造装置の部品に用いられます。半導体はAIサーバー向けの需要を集めており、古河機械金属は窒化アルミセラミックスを増産する方針です。生産能力は23年に1.6倍への増強を公表しましたが、報道では27年に従来ベースで2.2倍まで拡大するとも伝えられています。

レアアースとAIはいずれも株式市場の人気テーマです。関連のニュースが話題を集めるなかでは、投資家の資金が向かいやすいでしょう。