資本政策も好感 政策保有株を売却、株主還元を大幅強化

株価を押し上げているとみられるもう1つの理由が資本政策です。古河機械金属は資本効率の改善を積極化しており、その取り組みが投資家の評価を集めています。

資本効率の改善策の1つが政策保有株式の削減です。古河機械金属は、古河電気工業や富士通、横浜ゴムといった古河グループの源流であり、長い歴史背景から多くの政策保有株式を抱えます。政策保有株式は資本が固定化されるため、資本効率の悪化を招くとの批判があります。

この改善に向け古河機械金属は24年5月、政策保有株式を純資産比で20%未満まで削減する方針を設定しました。削減は迅速に進められ、純資産比は24年3月末の40.8%から1年で16.6%まで急減します。この影響もあり、古河機械金属の純利益は大きく増加しました。なお、24年3月期の大幅な最終増益は不動産の売却益が主因です。

古河機械金属の業績(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:古河機械金属 決算短信より著者作成
 

政策保有株式の売却で手にした資金は株主還元に振り向けています。自己資本比3%の総還元を目標とし、今期(26年3月期)までの2年間は1株あたり70円の配当金を継続する方針です。また、同期間中の自社株買いは従来50億円としていたところ、25年2月に130億円へ引き上げました。同時に自己株式を除く発行済み株式数の最大19.3%を取得する自社株買いを公表。翌営業日の株価は前日比22.7%高と急騰しました。

これらの影響から、古河機械金属のROE(自己資本利益率)は14%台にまで大きく改善します。もっとも、足元の水準は一時的な利益が押し上げている面があり、中長期的には8%程度を目標としています。

古河機械金属の自己資本およびROE(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:古河機械金属 決算短信より著者作成
 

いずれにせよ、古河機械金属は資本効率の改善が顕著であり、株式市場の好評価につながったと考えられます。