新NISA「使い方の脱・画一化」で自分流の設計へ

新NISAは制度開始から丸2年を経て、「投資を始める制度」としては一定の役割を果たしたと評価できます。これまで投資と距離のあった層が市場に参加し、長期・分散という考え方が広く浸透した点は、大きな成果といえるでしょう。

一方で、2年目を終えて見えてきた課題もあります。それは、制度の「分かりやすさ」と「始めやすさ」が、そのまま「使い方の画一化」につながっている点です。

「オールカントリー」や米国株中心の運用は、あくまでポートフォリオの土台であり、それ自体が完成形であるかのように受け止められている現状は、分散投資の本来の意味を狭めている可能性があります。また、SNSを中心に、「毎年満額を埋める」「とにかく早く枠を使い切る」といったメッセージが強調される中で、本来個々の家計やライフステージに応じて設計すべき投資計画が、制度主導で一律化されつつあるようにも感じます。結果として、「枠を使うこと」が目的化し、将来どのように使う資産なのか、どこで取り崩すのかという視点が後回しになっているケースも少なくありません。

3年目に向けて期待したいのは、新NISAを「積み上げる制度」から「設計する制度」へと捉え直す動きです。NISAはあくまで非課税という「器」に過ぎず、重要なのはその器の中身と、他の制度との組み合わせです。2027年に予定されているiDeCoの制度改正も見据え、NISA単体ではなく、世帯全体の資産形成・税制優遇をどう組み立てるかという視点が、3年目以降はより求められていくでしょう。