米国株:2026年末、S&P500は7700ポイントに到達か

チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎氏は、2026年末のS&P500の見通しを7700ポイントとし、4年連続の上昇は十分可能だと言及。過去にも4年連続上昇は5回あったという。7700ポイントの根拠としては、2027年の予想EPSから算出した2026年のPERが22倍の水準に達するとの見立てだ。この上昇をサポートする要因として、企業業績の好調さ、AIによる生産性向上、トランプ政権の企業寄りの政策などが挙げられる。

特にAIについては、「生成AIからエージェンティックAI、そして最終的にはフィジカルAIの時代がやってくる」と岡元氏。AIがロングタームで米株の下支えになると見込む。2026年も成長は続き、マグニフィセント・セブンは従来ほどの大幅上昇はなくとも指数を超えるリターンを上げると見る。小型株指数のラッセル2000も2025年12月初旬に過去最高値を更新しており、IT以外のセクターにも成長のすそ野が広がっているという。

AIバブルの崩壊懸念に対しては、1994年のインターネットブーム時と現在のナスダック100の推移を比較し、まだAIブームは継続過程だと分析。さらに2000年のITバブルピーク時と比較すると、「現在のS&P500テクノロジーセクターのROEは31%(当時は20%)、PERは38倍(当時は51倍)とバリュエーションの高さは感じられない。エヌビディアのPERも40倍、2027年予想ベースでは18倍と、割高感は薄れてきている」と岡元氏。

また、2026年の注目すべき動きとしてM&Aの活発化を指摘する。現在起きているワーナーをめぐるネットフリックスとパラマウントの敵対的買収を挙げ、「トランプ政権下ではFTC(米連邦取引委員会)の姿勢が変わり、M&Aがしやすくなる可能性がある。これは最終的には株価にとっても良いことだろう」と結論づけた。

●気になる為替、金利、暗号資産の展望は?後編「【2026年相場展望】介入では収まらない円安の可能性、どうなる日米金利の行方、そしてビットコイン価格予想レンジは?―マネックスの金融専門家が一堂に会し提言」で詳報する。