単身世帯と違う? 50代二人以上世帯の元本割れ経験
50代単身世帯では約3割だった元本割れ経験者。二人以上世帯ではどの程度だろうか。
■元本割れの経験(50代二人以上世帯)
50代二人以上世帯で元本割れの「経験がある」と回答した割合は30.5%。単身世帯(30.6%)とは0.1ポイント差で、ほぼ同じ水準といえる。同じ二人以上世帯では、60代(40.8%)より10.3ポイント、70代(44.0%)より13.5ポイント低い水準だ。
家族がいる場合、元本割れした場合の影響は世帯主だけで済まない場合もある。そのため、資産を増やすよりも、減らさないことを重視して、そもそも元本割れが発生する恐れがある商品を購入していない可能性も考えられそうだ。
元本割れ発生…どう受け止めた?
元本割れが起きてしまった場合の受け止め方について、50代二人以上世帯ではどのような特徴が見られるのか。
■元本割れ経験の受け止め方(50代二人以上世帯)
50代二人以上世帯は元本割れをどう受け止めたのか。最も回答率が高かったのは「自分の相場についての予想が外れたのであるから、それは仕方がない」で75.0%。群を抜いてトップとなっており、60代(74.1%)より0.9ポイント、70代(72.7%)より2.3ポイント高い水準だ。また単身世帯(68.8%)と比べても6.2ポイント高かった。
次いで「自分が元本割れするリスクをよく理解していなかったのであるから、それは仕方がない」で17.9%。こちらは単身世帯(19.6%)に比べて逆に1.7ポイント低かった。
さらに金融機関の説明不足や誤解を招く広告・勧誘など自己責任以外の理由は合わせて7.1%と、単身世帯(11.6%)より4.5ポイント低い水準だった。
【50代】元本割れの受け止め方 60代以降とのギャップは少ない?
50代で元本割れを経験した割合は単身世帯、二人以上世帯とも3割程度と、60代以降に比べて低い水準だった。一方で元本割れの受け止め方では、「相場予想が外れたから仕方ない」「元本割れリスクをよく理解していなかったから仕方ない」といった具合に自己責任を理由とする回答が約9割を占め、60代以降と比べてあまり変わらない。最終的な投資の意思決定は自分で責任をもって行うことを50代がきちんと意識していることを示唆する結果だ。こうした姿勢は特に投資初心者にとっても参考になるのではないか。
●気になる運用の実際は…後編「【50代】老後資金の運用はどちらを重視する? 「元本確保」VS「収益期待」」にて詳報している。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査


