資産額の増加はおおむね幸福度の上昇につながる
結論を先に述べて恐縮ですが、「NISAが私たちを幸せにする」というよりは「NISAを通じた資産形成が私たちを幸せにする」と考えるのが適切でしょう。
資産が増えていくことはお金に関した不安を縮小させます。不安が少ない、安心感があることは、私たちの幸福度を高める要素になりえます。その一翼をNISAが担うという関係です。
内閣府の調査※2によると、私たちの生活満足度への影響は「生活の楽しさ・面白さ」についてと、「家計と資産の満足度」が高かったそうです。楽しいことが幸福度を高めるのはもちろんですが、お金の問題がスッキリしていることが大きな要素となっているわけです。
※2 出所:内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書 2023」
また、将来の不安との関係では、もっとも強く影響するのが「家計と資産の満足度」だったとか。お金の不安は人生において大きなストレス要素ですが、これがない人とある人ではウェルビーイングに違いが見られる、というわけです。
他にも、資産額が多い人とそうでない人を比べれば、やはり資産額の多いほうが現在と将来にそれぞれの幸福度が高いという調査※3があります。
※3 出所:野村資産形成研究センター「第1回 ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)アンケート(2021年実施)」
また、貯金ゼロの世帯の幸福度が低いことも分かっていて、いずれも資産形成の順調な推移が、私たちの幸福度を高める重要なファクターであることを示唆しています※4。
※4 出所:第一生命経済研究所「ウェルビーイングを実現するライフデザイン ライフデザイン」東洋経済新報社