大幅改善する政府債務残高/GDP比

一方、ストック面からみても、近年の財政指標は改善が続いている。日銀の資金循環統計によれば、25年度末の一般政府債務残高/GDP比はコロナ前を下回る水準まで戻っている(資料5)。また、純債務/GDP比に至っては、実に米国を下回る水準まで下がっている。背景には、円安に伴う法人税収増や物価高に伴う消費税収増、さらにはブラケットクリープ現象に伴う所得税収増などがある。そこで続いては、インフレが財政に及ぼす影響について検討し、今後の政策対応について考えてみたい。