最も懸念されるのは「お知らせをスルーする人」の存在
結局、この除外実施については楽天証券は「説明が十分でなかった点を考慮し」と延期を発表しました。加入者の混乱を避けるための迅速な対応だったと言えるのではないでしょうか。ただし、再開後は、一度不同意を表明した人も再度、不同意を表明する必要があります。お客様も「一旦不同意を回答したけれど、再度回答が必要なので連絡が来たら回答したい」と言っていました。
しかし、延期となると再開時期が不明確で、不同意を表明したい人にとっては、タイミングを見逃さないように注意が必要です。延期ではなく、一旦、白紙に戻した方が、心理的負担が少ないのではと思う次第です。
今回は、延期されたことにより今のところ変わらず積み立てを継続できますが、筆者が最も懸念したことは、このお知らせをスルーした人も一定数いるのではないかということです。仮に除外が決定されると、対象商品の積み立ては続けられなくなり、自分自身で商品を選び直さない限り、掛け金は現金としてiDeCo口座に貯まっていくだけになります。
そして、そのまま商品選びを行わず、4カ月経過すると、楽天・インデックス・バランス(DC年金)が自動的に積み立てられます。この商品は、株式15%・債券85%の配分で運用される低コスト低リスクの商品ですが、為替ヘッジがあるため、為替ヘッジをしない株式型を積み立てていた人にとっては、意図しない結果となる可能性が大きいでしょう。しかし、そうなったとしてもこれはお知らせが来ていたにもかかわらず、何のアクションも起こさなかった加入者の責任です。
繰り返しになりますが、今回、除外は延期されたため、このようなことは今のところ起きることはありません。ただ、日常生活においても、ついつい放置してしまうことはあるのではないでしょうか。