企業型DCのマッチング拠出制限を撤廃

企業型確定拠出年金(企業型DC)においても大きな変更があります。現在、企業型DCの加入者が事業主の拠出する掛金に上乗せして行う「マッチング拠出」という制度がありますが、この制度には、事業主掛金の額を超えられないという制限が設けられています。今回の改正ではこの制限が撤廃されるため、拠出限度額の枠を十分に活用できるようになるのです。

企業型DCの拠出限度額自体も、現行の月額5万5000円から月額6万2000円に引き上げられる予定で、この改正も交付後3年以内に実施されます。

併せて企業年金の情報開示、いわゆる「見える化」も進みます。企業年金(確定給付企業年金、企業型確定拠出年金)の運営状況の情報を厚生労働省がとりまとめて公表する「運用の見える化」が実施される予定です。これにより情報開示が進み、加入者は他社との比較や分析が可能となる見込みです。

今回の私的年金制度の見直しは、少子高齢化社会における老後の資産形成をより充実させる第一歩となりそうです。特にiDeCoの加入可能年齢の上限引き上げや拠出限度額の拡大により、より多くの人が、より長い期間、より多額の資金を老後に向けて準備できるようになる期待が高まります。

特にiDeCoの加入可能年齢が引き上げられることは、人生100年時代といわれる現代において、より長期的な視点での資産形成を可能とすることでしょう。