iDeCo改正内容のポイントは?

年金制度改革関連法案の修正案が2025年5月30日に衆院を通過、今国会で成立する見通しです。同案にはiDeCoや企業年金に関する改正も盛り込まれています。何がどう変わるのでしょうか。ポイントだけを押さえておきましょう。

まずiDeCoに関する変更では、加入可能年齢の上限引き上げを筆頭に、掛金上限額も増える見込みとなっています。また企業年金では、企業型DC(確定拠出年金)のマッチング拠出限度額の拡充などが挙げられ、私的年金制度全般においてさらに活用しやすくなる改正内容といえます。詳しく見ていきましょう。

iDeCoは 70歳まで加入可能&掛金上限額もアップ

まずiDeCoについてですが、改正後は自営業者、会社員などの国民年金被保険者の加入区分に関わらず70歳になるまで加入できるようになります。現行制度では国民年金被保険者のみが加入対象でしたが、今後は60歳以降も含め、より長期間にわたる老後資産の形成が可能となります。ただし、いずれの場合も老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付を受給していないことが条件です。

出所:厚生労働省

この改正は公布から3年以内に実施される予定であり、働き方の多様化や長寿化社会に対応した制度に進化します。

また、iDeCoの拠出限度額についても拡充されます。今後、個人事業主などの第1号被保険者は月額7万5000円に、会社員や公務員などの第2号被保険者は同6万2000円に引き上げられる見込みです。これにより、より多くの掛金を老後に向けて積み立てることが可能となります。