4月から社会に出られる皆さん、おめでとうございます。
当たり前のことですが、これから皆さんは自分で稼ぎ、その稼ぎの範囲内で生活をしていくことになります。学生のような、親からの資金援助は基本的にないものと考えるべきでしょう。
なぜなら、皆さんの親世代もこれから大変な時代を迎えるからです。
恐らく、皆さんの年齢からすると、ご両親の年齢は50代半ばくらいでしょうか。仮に55歳としておきましょう。その両親が年金を満額受給できるようになる年齢が65歳だとすると、あと10年。2035年の日本の人口は、1億1663万9000人と推計されています。この時の65歳以上人口は3773万2000人で、これに対して高齢者を支える側である15~64歳の生産年齢人口は6721万6000人ですから、1人の高齢者を支える生産年齢人口は、2人に満たない1.78人になります。
支える側が減るわけですから、皆さんの親が受け取れる年金の額は、現状に比べて厳しくなることが容易に想像できます。同時に、支える皆さんの負担も重くなるので、お互いに自分の生活を何となするだけで精いっぱいになるでしょう。したがって、子が親に経済的支援をすることも、親が子に経済的支援をすることも、なかなかかなわないという時代が、すぐそこに来ているのです。
そういう時代になることを前提に置いたうえで、ではこれから社会人になる皆さんは、どのようにお金と付き合っていけば良いのでしょうか。
まず大原則として、「収入以上の支出はしないこと」です。特に遊興費のために借金をすることは絶対に止めましょう。ただし、自分のスキルを高めるために、「奨学金」という名の借金をするのは、悪い話ではありません。それは借金というよりも、むしろ投資に近い話です。自分の返済能力を超えない範囲で、自分の資産価値を高めるために行う投資は大事です。
この大原則を守りながら、次にやるべきことは資産形成です。