歯止めのかからない日本の少子化
特にこの30年間の未婚率の上がり方はすさまじく、「生涯未婚率の推計」(図表29)では2020年時点で男性が28.3%、女性が17.8%だった未婚率が、2040年には男性が30.4%、女性が22.2%になるという見通しがあるほどですから、日本の少子化に歯止めがかからないのも仕方のないことです。そして、ここにも就職氷河期世代を長く放置したツケが回ってきているように感じます。

これほど未婚率が高ければ、結婚をしないままある程度の年齢になっても親と同居する人たちも増えてきます。そして、その中には親と同居するだけでなく、経済的にも親に依存するパラサイトシングルと呼ばれる人たちもいて、こうした人たちは親が亡くなった後、あるいは介護を必要とするようになった時、果たして経済的にどうなるのかも今や大きな関心事となっています。
いずれにしても、未婚率の高さは少子化を加速させますし、パラサイトシングルは将来の介護や年金の問題とも関係するだけに、政府としては婚活支援や、子育て支援といった結婚や出産をしやすい環境の整備に取り組むことが必要になってきます。
●第2回は【「社会に出てからも割を食う」就職氷河期世代の不遇…大企業の正社員でも給料が上がらない現実】です。(3月4日に配信予定)
就職氷河期世代の経済学
著者名 永濱利廣
発行元 日本能率協会マネジメントセンター
価格 1,870円(税込)