三菱UFJ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年1月は、前月に引き続き「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がトップだった。第2位には前月第3位に後退した「eMAXIS 日経225インデックス」が浮上し、第3位には前月第5位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が上がるなど、売れ筋トップ5を日米の代表的なインデックスファンドが占めた。このため、前月は第2位だった「MUFG ウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」は第7位に後退し、前月第4位の「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース」が第6位に後退するなど、アクティブファンドが順位を下げた。
◆インデックスファンドが売れ筋上位を席巻
三菱UFJ銀行の売れ筋ランキングで米国を代表する「S&P500」と国内を代表する「日経平均株価(日経225)」のインデックスファンドが第1位、第2位を占め、そこに、「全世界株式(オール・カントリー)」が続いた。1月はNISAの投資枠が更新され、「つみたて投資枠」では120万円、「成長投資枠」では240万円の枠が利用できるようになった。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS 日経225インデックス」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、三菱UFJ銀行ではいずれも「インターネットバンキング専用」のファンドであり、購入時の手数料は無料になっている。「つみたて投資枠」による積立投資と「成長投資枠」を使った一括投資の両方の動きがあったものと考えられる(「eMAXIS 日経225インデックス」は成長投資枠のみ対象)。
「成長投資枠」の活用は、長期投資ばかりではない。タイミングをはかって一括で投資し、購入時よりも基準価額が上昇していれば「利益確定」して解約してしまうという使われ方もしている。その場合、利益確定して投資枠が空けば、空いた枠は再利用も可能となるため、年初で購入する動きが強く出たと考えられる。年初での購入は1年間の期間を使って「利益確定」の機会を探すことができる。特に、「日経225」に連動するインデックスファンドは売れ筋トップ5に3銘柄もランクインした。日本株への先高期待をする投資家の層の厚さを感じさせる動きだ(「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」はつみたて投資枠と成長投資枠の対象、「三菱UFJ インデックス225オープン」は窓口での取り扱いもある等、いずれも対象が幅広い)。
また、インデックスファンドの中では前月はトップ10圏外だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が第8位にジャンプアップしたことは注目される。このファンドも成長投資枠の対象で「インターネットバンキング専用」での取り扱い。2025年1月末時点のトータルリターンは1年で52.4%、3年で175.7%、5年で447.8%と「成長投資枠対象銘柄」の中で頭抜けたパフォーマンスを残している。米国の大型テクノロジー株式10銘柄に集中投資するファンドであるため、リスクも大きなファンドになる。パフォーマンス重視といえる同ファンドが、売れ筋に残り続けるかどうかを注目していきたい。