三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年1月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の新規設定ファンド数は12本と前月(21本)から半減し、設定総額も約570億円と前月(約900億円)を下回った。新規設定額ランキング(設定額は設定日の純資産額)でトップは、大和アセットマネジメントの「ダイワ・アンビット・インド小型株ファンド」で約265億円だった。前月は6本のインド株ファンドが設定されたが、新規設定額は最大で21億円程度だったことと比較すると今回の新ファンドは大きな支持を集めたことになる。また、設定額で第2位になった「fundnote日本株Kaihouファンド」は独立系の運用会社fundnoteの直接販売ファンドで残高は当初募集上限の100億円に到達した。

 

◆インドの中小型株に投資する魅力

新規設定額でトップになった「ダイワ・アンビット・インド小型株ファンド」、そして、設定額ランキングで第6位の「インド中小型成長株式ファンド」など、インド株の中でも中小型株に投資するファンドが増えている。

「ダイワ・アンビット・インド小型株ファンド」の販売用資料によると、インドの上場企業は、大型株100銘柄、中型株150銘柄に対し、小型株は4799銘柄(2024年6月末時点)と、小型株の銘柄数が圧倒的に多い。そして、2024年10月末時点で過去5年間に株価が5倍以上となった銘柄数は大型株17銘柄(銘柄数に対する比率は17%)、中型株32銘柄(同21%)に対し、小型株は201銘柄(同4.2%)と最も多い。小型株は担当するアナリスト等の数も少なく有望銘柄が埋もれている可能性を指摘している。

インドでは「Startup India」というスタートアップ企業の設立と成長を支援する政策がすすめられており、年間で10万社を超えるスタートアップ企業が誕生している。また、上場している小型株のEPS(1株当たり利益)の成長率も高く、2020年から2023年まで年率20%成長を実現し、これは世界小型株の年率13%を上回り、インド大型株の年率16%を超えている。また、2024年~25年の成長率予想もインド小型株は年率24%で、世界小型株の年率26%に匹敵し、インド大型株の年率15%を上回る成長が期待されている。この成長を背景に、2020年以降にインド小型株指数はインド大型株指数を上回るパフォーマンスになっている。

「ダイワ・アンビット・インド小型株ファンド」を実質的に運用するアンビット・インベストメント・アドバイザーズ・プライベート・リミテッドは、インド株式市場を専門とするインド全域をカバーする複数の拠点を持つ金融サービスグループ「アンビットグループ」の資産運用会社だ。大和証券グループ本社と資本業務提携しており、持分法適用関連会社にもなっている。同ファンドでは、アンビット独自のフレームワーク “ Good & Clean ”(Good=ニッチ企業で競争優位性を持つリーダー企業、事業拡大によって将来の大企業になる可能性を秘めた企業、Clean=健全な財務管理によって債務を抑えている、優れた経営陣を有し企業統治の良い企業)によって参入障壁が高く、価格競争力を有する高成長なニッチ分野のリーダー企業を選別している。また、“元従業員・取引先・同業他社など、ステークホルダーによる口コミ情報”を定性分析に活用するという現地の運用会社ならではの情報を使った独自の調査によって運用ポートフォリオを作っている。