◆インド株ファンドにも新しい流れ

6本の新規設定があったインド株ファンドは、既存のインド株式ファンドの約8割がスタイルフリーのものであることに対し、中小型株やテクノロジー関連など特徴のあるファンドの設定が大半を占めた。その要因は、「スタイルフリーのファンドの設定が一巡する中で運用会社が差別化を図った結果」と三菱アセット・ブレインズは分析している。「インド株式ファンド全体の資金流出入は約42億円の流出超となり、2ヵ月連続で流出超となった(前月は約150億円の流出超)。インド株式が昨年10月以降低調に推移しているため、前月同様に見切り売りや利益確定の売却などが出たものと考えられる」としているが、12月の新規設定ファンドの多さは、インド株に対する根強い成長期待を見出している運用会社が少なくないということだろう。そもそもインドなど新興国株式への投資は、中長期投資が基本であり、現在のように足元の市場環境が軟調な時が仕込みチャンスにもなる。小さく生まれたファンド群が、今後、どのような成長を見せるのか注目したい。

また、設定額で第8位に顔を出した「fundnote IPOクロスオーバーファンド」を運用するfundnote社は、独立系・直販の運用会社だ。「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスや「コモンズ30ファンド」のコモンズ投信、そして、鎌倉投信など一時の独立系運用会社の設立ブームから10年ほど遅れて新設された運用会社になる。公募投信の規制緩和に伴って2024年から設定可能になった未上場株式も投資対象とした国内株式の「クロスオーバー戦略(上場準備の段階から上場初期段階を投資対象とする)」を取り入れたファンドを投入し、新風を吹かせている。

執筆/ライター・記者 徳永 浩