現在50代、60代の方は、忙しい日々のなか、また「貯金が一番」という親世代からの刷り込みによって、資産形成について考える機会がなかった人も多いのではないでしょうか。
しかし、近年の物価上昇、将来の年金給付の目減りといった環境の変化に伴い、投資の必要性は高まっています。今からでも間に合うのかという不安もあるでしょうが、生命保険会社を経て、独立した工藤将太郎氏は「ポイントを押さえれば、50代・60代からでも、投資でしっかり老後資金」をつくれると話します。
そこで工藤氏に初心者におすすめの投資信託を詳しく紹介してもらいます。(全4回の4回目)
●第3回:「S&P500」と「オールカントリー」、あわせ持ちはアリか? その場合の注意点は…
※本稿は、工藤将太郎著『老後のお金の不安をなくす50代・60代からの新NISA』(秀和システム)の一部を抜粋・再編集したものです。
金は守りの資産に最適
金は、インフレや有事に強いといわれている資産です。金自体に価値があり、また、希少性のある資産であるため、特定の国に関するリスクにも左右されません。一般的には、先進国の株式と逆の動きをしやすいともいわれるため、ポートフォリオに組み入れれば、効率的にリスクを抑える効果が期待できます。
新NISAで金投資ができる
現物の金に投資する場合は、保管コスト、手数料が割高というデメリットがあります。投資信託やETFであれば費用を抑えられるうえ、新NISAを使って非課税で投資することもできます。たとえば、金に投資するETFで新NISAの対象となっている「純金上場信託(現物国内保管型)(愛称:金の果実)」は、ETFの残高に応じて現物の金を購入し、保管する仕組みです(これを「金の裏付けがある」といいます)。条件を満たせば、1kg単位で金地金に換金できるため安心です。