重機の大手 M&Aで鉱山機械が拡大、一般建機と2本柱に
コマツは建設機械、いわゆる重機の大手メーカーです。油圧ショベルやホイールローダー、ブルドーザーといった大型の機械を製造しています。建設機械は土木工事や建築工事のほか、鉱山や林業の現場などに用いられます。社名は石川県小松市に発足したことが由来です。
事業セグメントは3つに分かれます。主力の建設機械は「建設機械・車両セグメント」に含まれます。全体の業績は同セグメントが大半です。「リテールファイナンス」は主に建設機械のリースと販売金融です。「産業機械他」はプレス機械や工作機械、電子部品や防衛省向け弾薬などで構成されます。
【コマツの業績(2024年3月期)】
主力の建設機械をもう少し掘り下げましょう。建設機械・車両セグメントの売上高は鉱山機械がおよそ半分を占めます。一般建機よりもさらに大型の製品群です。鉱山機械は2017年に米ジョイ・グローバル社を買収したことで強化されました。鉱山機械は本体の販売より、部品やサービスといったアフターマーケットの比重が大きい傾向にあります。
【建設機械・車両セグメントの売上高の内訳(2024年3月期)】
地域別では海外の売り上げが9割を超えます。北米や中南米、アジアが比較的大きな市場です。特にアメリカの子会社(コマツアメリカ)の影響が大きく、連結業績に対する割合は売上高が2割、純利益は5割を占めます。また生産拠点も海外に多く、海外生産比率は66%に達します(いずれも2024年3月期)。