長期的にみて儲かりやすいクレジット投資、その理由とは? 

新聞・雑誌等をみていて、資産運用というと、対象資産については国内外の株式で語られてることが多いようだ。本来は、大きく分けて株式と債券なのだけど…。日本ではもう随分の間、金利が低すぎておそらく債券は個人投資家には忘れられてしまったのだろう。

金利のサイクルに影響はされるが、債券というカテゴリーの中でも、クレジット(信用供与)は高いリターンが期待できる投資対象だ。日本の機関投資家でも、生命保険会社やゆうちょ銀行など、以前は日本国債や米国債を中心に投資していた機関投資家も、最近はかなりの割合をクレジットに投資している。

「クレジット」とは、簡単にいうと「お金を貸す」ことだ。クレジット投資で得られるリターンは、デフォルト(債務不履行、つまりお金が返されないこと)のリスクに対する見返りだ。シンプルに言うと、デフォルトの可能性に応じてお金を貸す際の金利が決められている。

競馬やカジノの胴元ではないけれど、やはりデフォルトで損失が発生する確率、金額よりも、得られる金利の方が高くなるように金利の水準は設定される。従って、クレジット投資は長期的にみて儲かりやすい投資と言ってよい。

プライベート・クレジット/ダイレクト・レンディングのお金の貸し先は、比較的小さい非上場の企業であり、大企業向けのクレジットに比べてもちろんデフォルトの可能性も高まるのだけど、それ以上に得られる金利は高くなっている。

ローンを売り買いすることが難しく、その分高めの金利になる。中小企業はガバナンスのリスクがあり、その分高めの金利になる。このように積み上げられて、結局金利は(アメリカでは)一桁後半を超えてくるのだ。

Cliffwater社のダイレクト・レンディング・インデックスの統計によると、年率の利回りは平均して10%以上、デフォルトによる損失は2%を下回り、差し引きで9%程度のリターンになるという(対象期間によって、結果は変わることに注意は必要)。