自動車最大手、売上45兆円 海外販売は現地生産が75%
業績の前に、まずはトヨタ自動車の概要を押さえておきましょう。
トヨタ自動車は世界最大級の自動車メーカーです。グループの世界販売台数は2023年まで4年連続で首位となりました。売り上げの規模は、国内の主要な自動車メーカーで圧倒的です。
【主な自動車メーカーの売り上げ(2024年3月期)】
・トヨタ自動車:45兆953億円
・本田技研工業:20兆4288億円
・日産自動車:12兆6857億円
・スズキ:5兆3742億円
・マツダ:4兆8276億円
※トヨタ自動車と本田技研工業は国際会計基準、その他は日本基準
※トヨタ自動車は営業収益、本田技研工業は売上収益、その他は売上高
出所:各社の決算短信
トヨタ自動車の中核事業は自動車と金融です。自動車セグメントは自動車と自動車関連部品の製造と販売で構成されます。金融セグメントは、主に自動車の販売にかかる金融と車両リースです。その他セグメントは主に情報通信業を行っています。
【トヨタ自動車のセグメント業績(2024年3月期)】
トヨタ自動車は為替の影響が大きいことで有名です。世界で自動車を販売することから、収益の多くが外貨です。しかし財務諸表は日本円で作成するため、換算リスクがあります。円安は業績を大きくし、反対に円高は小さくします。
なお、輸出の割合は大きくありません。2024年3月期は、海外における販売台数の75%が海外での生産でした。主要市場の北米向けとアジア向けは、それぞれ75%と97%が現地生産です。
割合が小さいとはいえ、輸出が業績へ与える影響はやはり大きいと考えられます。仕向け別※の販売台数は海外が中心ですが、収益と利益は輸出分を含む日本が最大です。
※仕向け…最終的な需要地
【地域別の状況(2024年3月期)】