ビジネスモデルの変化進む 売り切り型からサブスクリプション型へ

理解を深めるため、ビジネスモデルについても押さえておきましょう。トレンドマイクロは近年、継続的な収益を得るサブスクリプション型の売り上げが増えています。

トレンドマイクロは従来、売り切り型(パーペチュアル)が売り上げの多くを占めていました。しかし売り切り型の割合は低下し、代わってサブスクリプションの割合が上昇しています。2023年12月期は売り上げの62%をサブスクリプションが占めました。

 

出所:トレンドマイクロ 決算説明会資料より著者作成

サブスクリプションの伸びを支えるのが法人向けです。2023年12月期までの10期で法人向けのサブスクリプション収益は13.7倍に増加しました。一方、消費者向けは停滞感があります。

出所:トレンドマイクロ 決算説明会資料より著者作成

法人向けの主力製品が「Trend Vison One(トレンド・ビジョン・ワン)」です。プラットフォーム型の製品で、XDR(※)やASM(※)といった複数の機能を搭載できます。企業は年間サブスクリプションか前払い式(クレジット購入)でライセンスを購入します。トレンドマイクロはTrend Vison Oneの拡大に注力しており、同社の安定的な収益源の1つとなっています。

※XDR:Extended Detection and Response(拡張された検出と対応)の略。端末に限らず、環境全体を網羅的に監視する機能のこと

※ASM:Attack Surface Management(攻撃対象領域の管理)の略。攻撃の対象となり得るデジタル資産の把握や要因を可視化する機能のこと

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